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一次創作の登場人物設定集。本家PCサイトの更新履歴は別所雑談ブログにて。初めての人は[初めにお読みください→http://kow3rdlog.pazru.com/read_first/ ]を、一読ください。
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序章 1
遙か昔、宇宙にはいつからか生物が存在していた。 どれくらい前に生物の始祖が生まれたのか、どのように始祖が生まれ、子孫が発達したのかははっきりしていない。宇宙の中に突如存在したとさえ言われている。研究はかなり前から為されているが、結果として、いつ宇宙が生まれて、星が生まれて、生物が生まれたのか、それらしい記録は無いし、記憶も無い。 寿命は個体によって差が大きく、最長30数億年という記録があるそうだが、詳しいことはよく分からない。 生物はそのままの姿で、何かしら変化はあったようだが、そのままの姿で進化したらしい。すべてが似通った姿形だというわけではないからだ。
生物は一般に“カルト”と呼ばれる。しかし宇宙の発展のうえで、自然界から“自然に”生まれ出る“生物”も存在する。 生物は、“生物”の進化を、その目で見てきた。自分たちと“生物”は、躰の構造から有する能力に至るまで明らかに違うことを認識した。“アニオム”と呼び、特に直立二足歩行をして高度な文明を持ち、食物連鎖から外れたいわゆる“人間”を、“ヒューム”と呼んだ。 アニオムを除外したうえで、昔から、そして現時点でも、生物はざっと4つの種族に分類されている。 『 魔族 』、『 獣魔族 』、『 悪魔族 』、『 自族 』である。 これら『魔』の種族に共通することの一つに、一つの躰にいくつもの体があることでる。 『魔族』では「完全体(原形)」、「不完全体」、「人間体」、「狂乱体」、「魂魄体」。 『獣魔族』では「完全体(原形)」、「不完全体」、「獣体」、「魂魄体」。 『悪魔族』では「完全体(原形)」、「黒龍体」、「魂魄体」。 『自族』では「完全体(原形)」、「常体」、「主体」、「魂体」となるのがふつうである。 もっとも効率的に、活発的に動けるのはそれぞれ人間体、獣体、黒龍体、常体なので、通常はこれらの体で生活している。 そしてその奥に潜めている、生物の真の“姿”が完全体である。完全体と人間体との間で原形の一部が外に漏れているのが不完全体という。狂乱体は魂魄体と完全体とのラグだと言われている。魔族にしか存在しないので魂魄体と人間体とのラグだというほうが正しいかもしれない。 個体にもよるが、直立二足歩行をするのは人間体と黒龍体のみである。 『獣魔族』とは一般に直立二足歩行しない、人間体を持たない種族で、『魔族』とアニオムとが混ざり合った種である。同じように、自ら栄養を作る植物、“リアヴァム”と『魔族』との交配種が『自族』である。 『悪魔族』は、『魔族』と似たような形をしているのだが、最も大きな違いは、肌が真っ黒と言っていいほど黒いことである。また他の種族と疎遠であるためその生態などについて詳しいことはよく分かっていない。「黒龍体」というのは、おそらく「不完全体」と似たようなものだろうと言われている。 魂魄体は、躰と並んで生物の要の一つである。死後生物は、地獄にて裁判を受けて、「天上界」あるいは「封台」へ送られ、そこで肉体=躰と魂魄体のみで“保存かつ存在”するのだが、その場所が裁判を受ける前に天上界であると決まっている場合以外は、死んだ後の生物の躰はそこから消えて封台に移されることになっている。つまり魂魄体とは、死後躰と離れて、裁判を受けて、ふたたび躰へと戻る体のことである。 魂魄体または魂魄体以外が欠けてもその生物は死ぬことはないが、魂魄体が消えると死んでしまう。このため『魔族』の場合だと4回殺される、つまり4回脳波が止まると死んでしまう。これを回避するために、体をどれか1つ消されて弱った躰を持続、さらに回復させるのに要するエネルギーをできるだけ軽くするため、より無駄な、大きなエネルギーを消費する体から先に魂魄体の身代わりにする。そのため『魔族』の場合、狂乱体→人間体→不完全体→完全体の順に消えてゆく。 前出のように、生物は魂魄体と躰との2つが中心である。 魂魄体はその強弱は個体差があるが、7種類の力を持っている。 「魔法」という。もしくは「法術」「七法」と呼ぶこともある。 「魔法」を使う力のことを「魔力」と言うのだが、これはあまり知られていない。 7種類の「魔法」とは、「水」「炎」「風」「土」、ここまでを「四法」といい、「光」「化(か)」「信」この七つを「七法」という。 「魔法」は生物の体に染みついている力、体質のようなものである。 体質によって自分が使える能力は限られてくる。一般に一番なじみやすいもの、つまり体質と合致したものを「専門能力」とする。体質とは違う能力を修める、それはとても大変なことである。「専門能力」について集中的に修行するよりも倍以上の時間と精神力、体力を要する。中でも「精神力」は特に重要なものである。 「精神力」とは、つまり“心の力”。「心」をベースにして初めて「躰」は能力を発揮できる。また「心」なくしては「魔法」は使えない。躰の芯に眠る力である。 「精神力」は無論強い方がいい。生まれた時決定し死ぬまで一定であることはなく、鍛えれば鍛えるほど「心」つまり「精神力」が強くなる。精神力は教育の際闘争心をあおるためか数値で表されることが多い。 体力はこの“躰の力”とほぼ同義であるが、心と躰は直結し互いに影響を及ぼしあうため、結局は精神力の強弱に左右されることが多い。 だいたい『魔族』と呼ばれる種族に強い精神力の持ち主は集中している。 「魔法」は体質なので扱いやすい。感覚で術を練り出せば不規則でバリエーションに富んだ技が使えるが、それだけ不安定なので、術や技は完成されにくく、教育上不便なことが多い。 「精神力」は尚更難しく、各の魔法や精神力に長けた一部の者しか上手く扱えなかった。 そこで「呪術」がつくられる。呪文を唱え、思い通りの術を使う。 「魔法」に呪文は必要ない。手や足から「気」を形として出現させる。ちなみに「気」は慣用的な言葉で、一般に精神力を練りあげた実際の力を指す。一方で「呪術」は「魔法」を基本として、「気」を形として出現させる。「呪術」のほうが量は多いが何かと便利だととる者が多いようである。「魔法」は単純な分難しいと考えるのだろう。 「呪術」の出現は、文字の使用によってもたらされた。一つ一つの術は(呪)印と呪文、呪名の組み合わせで決まる。印は技を発動しやすく、つまり魔法を練りやすくするために手で作る文字の一種である。呪文、呪名は術を使うための導入文と、術の名前である。 同じ言語=呪術言語を持つ呪術は同じ文字=呪術文字または呪紋(字)を持つ。この文字の単語がならんだ文字式から呪文、呪名などの情報が成り立ち、術が完成する。文字式を呪と言うこともある。 「呪術」によって生活のための技術が格段に向上した。自動で布を織るシステム、自動で食べ物を加工するシステムなど、あらゆる産業で、たくさんのシステム=機械が生み出された。文明は高度になった。 しかし高度になったのは文明だけではない。 個体の戦闘力も、団体の戦闘力も上がった。「呪術」は「魔法」を使えずに「体術」だけで戦力になっていた者も使えるからである。 「体術」というのは、文字通り肉体の力だが、「魔法」にはほとんど関係しない。精神力が大きく響く。『魔族』および『獣魔族』では「体術」は教育上、基本技術とされている。 種族、家系、個人によって得意不得意は当たり前のようにある。これは異族同士の交際が法律的にも習慣的にも禁じられていない種族があるため、親が何族であるか、親の血からどの情報が最も多く伝わるかによってによって専門能力が左右されるからだ。 その他にも、我流の術を広めたり「魔法」を使えるはずなのに「体術」のみを使う者もいる。 しかしどれだけ精神力や体質に大きな違いがあろうと、「体術」を使えないものはそういない。激しい運動に向いていない体質でも、ある程度の動作は実行できる。 「Qwello」と呼ばれるゲームがあるが、これはもとは魔法や呪術、体術はもちろん、どんな武器・技術でも使用可能な戦闘ゲームである。これに規則を付け加え、最も単純な形に縮めたのが「Qwello-Body」というもの。殴る蹴るのみの素手での格闘技となる。つまり体術のみで闘うゲームなのである。かんたんに言えば喧嘩である。実際このゲームが「できない」という者はいない。 彼らは生物は皆平等であると考えている。また彼らは個人の能力を本能的に尊重する。 また戦いは正義のもとで実行され、戦いの中においても相手を尊重した。侮辱すること、侮辱されることをとにかく嫌う。 そのため数分の間話したりしただけで相手の種族を決めつけてしまうことはほぼ”侮辱し”たことになる。 他人を侮辱するのは『悪魔族』ぐらいのものとされるが、『悪魔族』は無差別な略奪や戦いを繰り返すため一種の社会現象である。無駄だという者もいたが、『悪魔族』でない種族の子供を育てるためにも、他と共存するうえでの基礎常識を『掟』として定義させた。今、『掟』を守っている者は少ないであろう、人口の少ない心の広い者ばかりがいた時代に基づいたものだ。 一、他の者を侮辱してはならない。後に悔やむ事があるならば、躰と心を以て其の意を表すこと。そして生涯其の罪を背負うこと。 二、戦う時は礼儀に従って戦うこと。礼儀とは即ち他との交渉を持つ際に尽くすべき敬意表現と、超えてはならぬ言動の壁である。 三、他の者の行為が正しい時、その善悪に関わらずその者の行為を邪魔してはならない。 四、真の「友」とは、互いに欠点を埋めあい互いに長所を敬いあい万事信じることができる者のこと。以上のことに一つでも欠ける時、その者に真の「友」である資格はない。 五、個人を尊重し、常に謙虚であること。 上の五つ、特に一つめと四つめは一番大きな礎とされる。“代表者”は管理下の者たちに対し常にこれを守らなければならない。 教育する者は厳しく優しく『掟』を子供たちに植え付けた。 一つの疑問を投げかけた者がいた。 「我々と人間とはどう違うのか。」 我々、つまり“カルト”、とは、人間と同じような形をした「躰」という殻を持つ、他の言葉で言い換えられない生き物である。 たいていの人間、ヒュームはこういうものを“化け物”とか“怪物”とかと罵りを含めて言う。また、持つ能力の差が月とすっぽんほど、あるいはそれ以上に大きく違うため、人間にしてみれば彼らはまさに天才であり、彼らにしてみれば人間はただのろくでなしにすぎない。 それでも彼らの中に人間をひどく見下すような者はいない。正確に言えば、いなかった。 『悪魔族』のみが唯一それをする。彼らは『掟』という柵が創られてもそ知らぬ顔で略奪を続ける。従って彼らは軽蔑され、恐れられた。民にとって『悪魔族』は恐怖をもたらすものとされた。 『悪魔族』は黒魔法を使用するが、『悪魔族』自体が他の種族に対して閉鎖的であるために詳しい仕組みは知られていないが、黒魔法は一般のものが使う白魔法よりたちが悪い。少ないエネルギーで確実に相手にダメージを与える。それも一生消えることのない痣を埋め込んだり、心・精神を修正不可能なほどに破壊したりしてしまう。 そのため彼らは「神」という存在を脳裏に描くようになった。その者が正で有ろうが悪であろうが並はずれた力を持ち、自分たちを正当な、悪魔など存在ない世界に導いてくれる存在を強く信じた。大部分の者は今でもそれを信じ続けている。 強い「気」は合体し、眼には写りにくい「力」となった。彼らは意志を持ち始めた「力」を「信神者」という者に管理させた。しかしそれは大きくなりすぎて信神者一人では管理しきれなくなったため、彼らはその塊を幾つかに分けた。一番「気」が密集し濃くなっているところを母体とし、祭壇を設けて祀った。母体と数個の塊は、小さくなろうと努力した。なぜなら一つの塊でも惑星一つの大きさに匹敵するため、生物の住むところに少なからぬ影響を与えてしまうからだ。 こういった力の塊というものは常に一定の場所に留まっているわけではない。水中の藻のように漂う。信神者は力の塊と共に宇宙の中を移動し、今どこにいるかを常に母体の信神者へと伝えるのである。 誰かが言った。 「塊を何かに封じ込めてはどうか」 強い力ほど他のものを魅了し惹きつける。塊と塊が引きあって合体しようとしていた。そういうことで八面体のガラス容器の中に封じ込めた。そしてできるだけ遠くにそれらを置いた。 ある一つの塊を入れたガラスが割れた。彼らはまた頭を抱えた。 「母体の一部をそれぞれに加えれば彼らは大人しくしてくれるだろうか」 見事に的中した。力の塊は凝縮されガラス容器の中へ収まってくれた。 信神者はというと力と一緒に容器の中に入り、生活する。力の塊は容器の中にはいると母体と同じように一定の場所にいて、動くことはなかった。 次第に、ガラス容器の周りに星が集まってきた。渦を巻くように、水が流れるように。 生物はそれが大きくなったものを「銀河」と呼ぶ。ガラス容器の中によく星が入り込むため、容器は宝石のように光り輝く。そのため、生物はこの母体を含むガラス容器を「クリスタル」と呼ぶ。 しかし母体の周りにだけ銀河は生成されない。星が集まらない。その代わり母体の中に色とりどりの宝石のようなものを生成している。ある生物がそれに触れようとすると、それはその生物の躰へ吸い込まれていった。それはその生物の精神力を数倍強くし、その躰に最も適した性質・”体質”を決定した。 躰に染みついたクリスタルは、やがて生まれ出る子に自らの切片を託す。そしてその切片は主の躰とともに成長し、自らの性質、人で言えば個性を創り上げてゆく。そしてだいたい生後4、5年ぐらい経った頃、体質として表に現れ出る。 世代を重ねるうちに、クリスタル、心晶は生物の「力の源」となり、「心」同然の存在になった。 心晶は魂魄体の内部につくられ、魂魄体の性質をサポートする。つまり、魔力をサポートする。 例えば、真空空間で生活できなかった生物の躰の周りを保護し、自由に動けるようになった。 こういった心晶が生物の心を利用して持つ能力を心晶機能と呼ぶ。 これはまだ、広い宇宙の中でも人口が一万も超さないほどの頃だが、この当時母体からク印象を得たものは全体の約5分の4、ほとんどである。 彼らを“はじめの実力者”と呼んだが、残り5分の1は実力者達と交わり子孫に心晶の切片を埋めるか、力の差に押しつぶされ滅びるしかなかった。 そのため地球に人間が現れる頃には、心晶というものは宇宙生物の体内に必ず存在するものとなっていた。 心晶機能によって、生物はより世界を“生きやすく”なった。 PR コメントを投稿する
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