序章　06 - 兄弟

人生は冒険である。
宝物を探して、友達を探して、住処を探す冒険の旅路だ。
どうせなら楽しく歩みたい。
どうせなら。

　ロード家　05 - 兄弟

黒と青の兄弟は、まるでふたつでひとつであるかのようだった。

他の兄弟とは離れて、生涯、支え合っていた。

彼らはちいさいころから、何も変わらない。

　ロード家　04 - 兄弟

（…『信』を、使うしかない）
フレイムがこの“修行”を“実戦”だというのなら、なおさらだ。
もう一度構える。フレイムとその紅を交互に見遣り、眼を閉じる。
「……っ」
途端、風が動く。フレイムが動いた。オールは『信』を、張り詰める。

　ロード家　03 - 兄弟

　同じように、刃を交え始めた時とはずっと早い調子で打ち込み合う。
　オールは相も変わらず爛々と輝くフレイムの眼を視界の端に認めながら、漆黒の刃が太陽の光で作る閃光を、もちうるだけの集中力を全開にして追っていた。

記憶の中のお前は、いつも笑っていて、いつも楽しそうで。
無表情なお前も、怒ったような顔も、哀しそうな顔も、そんな顔も、いつものお前らしくない。
だからなにがあったんだと疑ってしまうのは、

―――兄として許されたことじゃないのか。

　ロード家　02

金色と紅色。

兄弟のとある一日が、すべてを動かした。